【ゆりグレ】閉ざされた学院で繰り広げられる乙女たちの物語「FLOWERS 四季」をやってみた感想

ゲームレビュー

あなたは百合が好きですか?

といってもお花の百合のことではありません。
私がここで言っているのは女性同士の恋愛のこと。

男性同士の恋愛のことを薔薇というのに対して、
女性同士の恋愛のことを百合といいます。

かわいらしい少女たちが仲睦まじくじゃれ合っているのは、
見ていてほほえましいですよねー。

私はとっても大好きです!

触れ合っているうちに感じていた友情が尊敬が、
親愛に変わり互いを思い合う愛情へとたどり着く。

そんな多感な少女たちの恋愛をテーマにした

FLOWERS 四季

この物語の紹介と、やってみた感想をお話しようと思います。

FLOWERS 四季とは?

高い塀と森に囲まれた聖アングレカム学院
という女性だけのミッションスクール。

そこで少女たちが出合い様々な経験を経て

成長し、友情をはぐくんでいく物語。

だと私は思っています。

春、夏、秋、冬

それぞれの季節を通して丁寧に描かれた学園生活
様々な事件を通してはぐくまれる友情

ただ単純に、

百合作品として少女たちの恋愛がテーマ

というだけではない素晴らしい作品に仕上がっています。

全編を通して、
つややかだけどそこまでエロさを感じさせない
耽美なイラストも秀逸です!

音楽も素敵だし、この素晴らしいイラストに惹かれて買った。
という人もいるんじゃないでしょうか?

興味はあるけど百合ってどうなの?

エッチな話は苦手。

なんて思われてる方にも
安心して手に取ってもらえる作品です。

アミティエ制度とは?

この作品を語る上で忘れてはならないのがアミティエ制度です。

実践的なコミュニケーション能力取得の為に作られた教育システムで、
面接、筆記試験によって、その者にもっとも適した
アミティエ(疑似友人)をあてがわれるというものです。

アングレカム学院は全寮制という性格上、
学院側から親しい者を作らせ生活に馴染ませため、
そして卒業時に広くコミュニケーションが取れる人物を育てる。

という二つの理由からこの制度がつくられました。

人見知りで引っ込み思案な主人公蘇芳は、
この制度で親密な友人を作るために
アングレカム学院に入学したのです。

ストーリー

Innocent Grey作品を知ってる方は知ってると思いますが、
Innocent Grey作品では珍しく、
この「FLOWERS」は

人の死なないミステリー

なんです。
どういうことなんでしょうか?

どこの学校でもあるような七不思議。
それがこの学園で起こる事件に繋がってくるのです。

そしてこのアングレカム学園でうわさされる七不思議には
ある変わった共通点があります。

それは、

七不思議にあった人は学園から消えてしまう

ということです。

そうでなくても七不思議のうわさは
学園内での不和を生みます。

そうした事件を解決すべく、
主人公となる少女と少女を取り巻く友人たちが助け合い、
事件の謎に挑むのです。

それが春から冬を通しての、
変わらないこの作品の流れです。

では季節ごとの話はどういったものでしょうか?

春編

始まりの春。

「FLOWERS」全編を通しての主人公
白羽 蘇芳の学園での出会いの物語。

人見知りで引っ込み思案な彼女が、
不器用ながらアミティエや倉爪糸と触れ合い、
友情をはぐくんでいく季節です。

なかなかうまく人と話せず誤解を受けることも度々あって、
何度もやきもきさせられました。

あこまれのアミティエ、マユリの意外な過去と、
告白された葛藤の気持ちにはびっくりさせられました。

一度は壊れかけた3人のアミティエの関係を
頑張って修復しようと奔走する蘇芳ちゃんもかわいかったです。

最後の意外な結末は、
この手のゲームではよくあるマルチエンディングの
バットエンドかと疑ってしまいました。

この「FLOWERS四季」では次を待たずに
続きができるのがいいですよねー。

夏編

ここでは主人公が変わって、
男っぽい口調の八重垣えりかになります。

夏っぽいカラっとしたいい配薬ですねー。
そして彼女のお相手が考崎 千鳥。

春ではアミティエなしだったえりかの
アミティエになった少女です。

出会いは最悪。

序盤はお互い目の敵のような関係が続きます。

嫌っているくせに、
食事の時にはサラダしか食べない千鳥を
からかって声を掛けたり。

えりかさんは口で言うほど
嫌みな子じゃないのも魅力的です。

子うさぎ消失事件の犯人と疑われた千鳥を助けたり。
七不思議の事件を一緒に解決していくうちに、
二人の関係が深まっていきます。

春編ではカップルであった時間が短かったのに対し、
こちらの二人のカップルはちゃんと恋愛してるなー。

と見てるこちらもニヤニヤしてしまいます。

最初と最後で千鳥の雰囲気がガラッと変わるのも
また見どころです!

秋編

秋編では上級生の先輩。

小御門 ネリネと八代 譲葉

この二人にスポットを当てたお話です。

蘇芳たち下級生から見た譲葉ではない、
彼女のまた違った一面が見られる
他の季節とはまた違う立ち位置の話ですね。

幼馴染のネリネに懸想する譲葉。

長く抑えてきたこの気持ちを吐露するも断られ、
傷つき揺れる乙女心。

普段は男っぽいふるまいを見せている彼女の、
少女らしい一面が意外だけどかわいらしかったです。

そこでまさかの林檎が絡んでくるとは思いもよりませんでした。

ネリネと譲葉の過去の改装が多かったのも
この秋編の異色さを際立たせていますね。

裏では蘇芳ちゃんがマユリを取り戻すために
奔走している姿も描かれ、
冬編に期待がかかりましたねー。

冬編

マユリとの再会の冬編は、
再び蘇芳が主人公に戻ってきます。

冬、ということで前半は重苦しい雪のイメージで始まります。

マユリを取り戻すために生徒会長になったのに、
思うように調査できない苛立ちが伝わってきました。

巻き込まないためと、
調査していることを友人にもアミティエにも
伝えられないもどかしさ。

そして、心配してくれるのはうれしいけど、
世話を焼きたがる立花さんにも
ちょっとイライラを感じてしまいました。

はっきり迷惑だともいえないし、
かといって本当のことを話すこともできない…

もどかしいですね。

朗読会といい、演劇といい、
生徒会長になって忙しいはずの蘇芳ちゃんに
バンバン降られるたくさんの仕事と役割。

いくら何でもみんな蘇芳ちゃんに任せすぎじゃない?
とさえ、見ているこちらが思ってしまうほどでした。

蘇芳ちゃんがひとりで奔走しているときも、
それはそれでいじらしくてかわいかったです。

でも意を決し、みんなに話して一緒に協力している姿の方が
生き生きと格好良く見えました。

周防ちゃんの成長と、
いろんな物事が一気に動き出した瞬間ですね!

さて、ここから最後の結末は、
ぜひあなたがやって確かめてみてください!

キャラクター

白羽 蘇芳 CV名塚佳織

無口で心配性で小心者…

見た絵通りたおやかでもろそうで、
最初は大丈夫か?と心配になるくらいでした。

ところが、ある目的のために生徒会長に
立候補するほどに、強くたくましくなりました。

それ以外にも朗読会に参加かつ執筆作業とか、
演劇では主役に選ばれるなど
多方ですごい活躍ぶりでした。

頼まれたら断れない。
自分が不利になっても友人を助けたいという
お人よしさんの彼女。

そのせいで傍から見ると、
そんなにひとりで背負い込まなくても
と心配になってくるほどです。

そして、14歳とは思えない大人びた雰囲気と美貌にも
ほれぼれしてしまいますねー。

匂坂 マユリ CV岡本理絵

明るくて社交的だけど、
とこか他人と線を引いているようなところがある女の子。

蘇芳とはまた別の意味で一線を画している気がします。

言いたいことははっきりと明るく活発で、
蘇芳じゃなくてもあこがれてしまいます。

お菓子作りが得意とい彼女、
私もお菓子作りが好きなので共通点です!

聖母祭の聖母役に異例な形で選ばれ、
アミティエの立花やクラスか忌避されることに。

それに耐えられなくなった彼女が
自分の抱える不安を吐露したシーンは良かったです。

高嶺の花と見えた彼女が自分と同じ14の少女で、
手の届く存在だと気づかせてくれた大切なシーンでもありますね。

春編で結ばれたと思ったとたん消えてしまったことに、
もしやバットエンドでは?と思うほどびっくりしてしまいました。

花菱 立花 CV明島ゆうり

優等生で、規律には厳しいけど誰にでも優しい女の子。

蘇芳が高嶺の花に対し、社交的で誰にでも親切な
彼女は野に咲く花という感じですね。

おせっかい+蘇芳LOVEのせいで、
過剰に蘇芳に世話を焼きたがるところは
見ていてちょっと面倒だなとも思いましたけど‥

冬編のあの時は蘇芳が抱えてたことを誰にも言えず
頑張ってた時期だったから余計ですね。

度々不和をもたらす原因でもあった彼女だけど、
より柔軟な方向に強く成長しました。

根はいい子でかわいいです。

紅茶好きという彼女の入れてくれた紅茶を
一度飲んでみたいです。

八重垣えりか CV佐倉綾音

夏編の主人公えりか先生です。
春編では車いすの少女でしたねー。

口は悪いけどなんだか憎めないのが彼女。

名前を呼ばれると照れたり
はずがしがるところがかわいいですねー。

最初はつんけんして仲間の輪に入ろうともしなかった彼女が、
千鳥と触れ合ううちに自分から仲間と関わっていくように
なったのも微笑ましいです。

「義理が廃ればこの世は闇よ」

と言って、嫌みを言いながらも
なんだかんだで困った友人には手を貸すお人よしさん。

蘇芳のことは言えませんよねー。

結構、蘇芳なみに面倒ごとに首を突っ込んでる気がします。

考崎 千鳥 CV洲崎綾

公式HPのキャラクター紹介で、
マユリの代わりにいた彼女に驚いた記憶があります。

見た目はどことなくマユリに似てるけど、
中身は全くの別物です 笑

最初は目つきの悪いつんけん少女だった彼女。

印象最悪。

とは、えりかでなくてもそう思ういますよ。

それがエリカと触れ合ううちにすっかり丸くなって、
まるで別人か、という変わりようです。

学院に来る前は芸能活動をやっていて
バレエが得意!

バレエは見たことないけど、
彼女のバレエを一度見てみたいですね。

言動がストレートなので、
エリカとのこともてらいなく話題にして、
えりかを照れさせてるのもかわいいです。

小御門 ネリネ CV西口有香

蘇芳の1年先輩でニカイアの会副会長。

ハーフで日本人とは違う現実離れした容姿の女の子。
これで15歳というのだからびっくりですね!

秋編でのお着換えシーンはちょっとドキドキしました 笑

そしてなんといっても、
夏編の朗読会の王子役はめちゃくちゃ格好良くて見どころですよ!

ふわふわと柔らかで誰にでも優しげな態度だった彼女の、
冬編での変貌ぶりにも驚きました。

譲葉との出会いの話を聞くと、天使のような見た目に反して
とても人間らしい女性だなと思えました。

そんな彼女は大のスイーツ好き。
一緒にスイーツの食べ歩きしたいです。

八代 譲葉 CV瑞沢渓

蘇芳の1年先輩で自信に溢れるニカイアの会長さん。

少々変わった口調やエキセントリックで行動的のため、
変わり者に見られるけど、
その実周りへの気配りができる優しい人。

自分を男っぽいと思っていて、
周囲にもそのようにふるまっています。

だけど本当は結構乙女な女の子なんですよー。

クオーターで外国人のような見た目と銀髪で、
ネリネとは対の存在ととらえられています。

行動や会話が突拍子もないんだけど、
一緒に旅行とか言ったら楽しそうです。

季節ごとで発売されているものとの違いは?

FLOWERSという作品を調べたとき、
春編、夏編、秋編、冬編というのもあって

どれを買ったらいいの?

と混乱された方も見えるかと思います。

春編で始まり冬編で終わりを迎えるこの作品は、
最初はそのように季節ごとに別々で発売されました。

それがまとまって一つになったものが、
PS4やSwitchで発売された

FLOWERS 四季

なんです。

PS4とSwitchで内容に違いはないので
お好きなほうでプレイしてみてください。

実はFLOWERSは、春編が出たときから
ずっと気になっている作品でした。

それが迷ってるうちに夏編、秋編と発売され、

最後の話が出たら、きっと全部まとめたソフトが出るはず

とずっと我慢して、
待ちに待ったのがこの「FLOWERS 四季」でした。

今からこのゲームをプレイされるあなたは、

迷わず「FLOWERS 四季」を買って

春から冬までを通して遊んでくださいね!

最後に

お勧め度:★★★★

FLOWERS 四季をプレイした感想

閉ざされた女性だけの学院でおこる
女性同士の恋愛ミステリー。

と聞いてずっと気になっていたこの作品。

主人公を含む登場人物たちの関係が
しっかり丁寧に描かれていて、
とてもドラマ性のある作品でした。

日常の生活だけでなく季節ごとのイベントも
特別なものとしてしっかり用意されてるのもよかったです。

普段のキャラクターとは違う一面も見られたり、
推理した後のご褒美、みたいな感じで楽しんでいました。

Innocent Greyの他作品はプレイしたことがあって、
その中では結構残忍な被害者のシーンもあるので、

人の死なないミステリー

という触れ込みに、どうなるんだろうという気持ちがありました。

閉ざされた学園物のミステリーはもっと怖いものになるかと思いきや、
この作品に合った、ほんわり不思議な推理物に仕上がってました。

そして、譲葉先輩が1年の時に起きた失踪事件や、
マユリ失踪事件の真相を追ってたときはすごくドキドキしましたー。

冬編で思いもかけない人物との対峙と変貌。
そしてダリア先生の怪しげな態度もまた
冬編ならではのホラー&ミステリー要素でした。

ところがホラーになりすぎないその結末は、
FLOWERSならではと言ったところでしょうか。

無事にマユリを取り戻せただけでなく、
たくさんの友情をつかみ取った蘇芳ちゃんは

総取り!

ですよね♪

イラストも音楽もどれも素晴らしく、
思い入れのある作品になりました!

 

百合作品としてではなく、
学園ドラマとしても楽しめるので
あなたもぜひぜひプレイしてみてください!

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