江戸時代ってあなたはどんなイメージがありますか?
- 将軍
- 侍
- 刀
- 農民
- 一揆
- 遊郭
- 怪談
とりあえず私が思いついたのはこんなイメージです。
江戸時代といっても250年近くもある長い時代、
一概にイメージといってもなかなかまとまりませんよね。
そんな江戸の元禄時代を舞台にしたゲームがこちら
朧村正
その名の通り、「刀」がキーワードとなっています。
二人の主人公が手にしているのは妖刀村正。
刀に秘められた力や剣術に魅入られた人たちが
織りなす物語がこの朧村正なのです。
元禄といえば、「生類憐みの令」で有名な将軍綱吉の時代。
悪政により暗雲たちこめるこの時代を描いた、
4人の主人公によるそれぞれの物語も見逃せません!
このゲームの舞台となる江戸・元禄時代の背景や
ゲームの見どころをご紹介します。
朧村正とは
2Dの美しいグラフィック
2Dでありながら、美しく綿密にえかがれたグラフィックが
かつてWiiで発売され、PSVitaに移植されたこの作品、
実は、横スクロールの2Dアクションゲームなんです。
これを聞いて「今更2Dかよ」と思われたあなた、
侮るなかれ!
ですよ。
FF7リメイクのように近年は、
まるで本物かと見まごうようなグラフィックとCGの美しいゲームが
とても多いですよねー。
ところがこの朧村正は、
そんなゲームに勝るとも劣らない綿密なグラフィックがとても美しく、
手書きならではの温かみもにじみ出ています。
そして、売りである剣劇アクションもすごく格好よくて、
華麗でスピード感のあるアクションゲームに仕上がってます。
2Dここまでできるのか、と驚きが隠せませんね!
二人の主人公
朧村正では
- 悪霊に体を奪われた百姫
- 記憶をなくし、抜忍として追われる鬼助
この二人が主人公として活躍します。
百姫 CV沢城みゆき
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
百姫は剣豪の体を狙う悪霊(飯綱陣九朗)の手にかかり、
「魂移しの術」によって体を奪われてしまいます。
一つの体に魂が二つという中途半端な形での術は
不安定で体に負担がかかるため、
「魂移しの術」をやり直す為に必要な刀「相模反魂黒光」を
手に入れるために奔走するのです。
その道中いろいろな事件に巻き込まれて、
あちらこちらと本当に奔走することになるんですけどねー。
女の子らしい百姫と陣九朗が時々入れ替わるのですが、
その退避がまた面白いんですよー。
声優の沢城みゆきさんもうまく使い分けていて、
聞いててとても楽しかったです。
口の悪い百姫もこれはこれでありじゃないか、
ってだんだん思えてきちゃうんですよねー。
鬼助 CV吉野裕行
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
戦で瀕死の状態のところを朧夜千十の「合魂の術」によって
一命を取り留めた少年。
「合魂の術」の副作用で一切の記憶を失い、
訳の分からないうちに仲間の忍に追われるという
いきなり理不尽な展開です 笑
途中で出会う虎姫の亡霊に何かを感じ、
追いかけて戦いに参加していくんですよ。
記憶を失っても好きな人のことは感じる何かがある、
なんてロマンチックですよねー。
話の流れはそんなラブロマンスではなく、
流石戦国時代というところなんですけどね。
DLC(ダウンロードコード)のキャラクターたち
二人の主人公とは別に、朧村正では
DLCで4人のキャラクターのシナリオをプレイすることができます。
二人の主人公とはまた違って、
元禄時代の雰囲気をより濃く感じられるシナリオでした。
三毛 CV日高里菜
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
「津奈缶猫魔稿(つなかまねこまたぞうし)」
の主人公ねこまたの三毛ちゃんです。
父の名代でお役目の道中、政敵に殺されてしまったお恋ちゃんの
飼い猫だった三毛ちゃん。
お恋の無念を晴らすべく自ら化け猫となったのでした。
狸との修行のやり取りは面白かったです。
狸の霊力の源ってあまり一般的に知られていないけど、
江戸時代の浮世絵で化け狸を見たことがあったので、
笑ってしまいました。
権兵衛 CV浅沼晋太郎
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
「大根義民一揆(おおねぎみんいっき)」
の主人公権兵衛です。
まさかの農民が主人公ということに驚きました。
江戸時代の一揆って、今でいうストライキですよね。
今の日本ではストライキや暴動ってほとんど聞かないけど、
この頃はそういうのがあって当たり前の時代でした。
暴動は行きすぎだけど、
不満はあっても何もしない現代人の方が異常なんですよ、きっと。
このシナリオの面白いところは、
主人公の権兵衛を筆頭に田吾作、茂平次の二人も参戦してくるところ。
一揆というお題目なだけあって、
農民が協力して戦う形が戦闘として取り入れられているのも
このシナリオの見どころですよ。
ちなみに、これのおかげでヒットが出しやすいのも面白いです。
嵐丸 CV逢坂良太
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
「七夜祟妖魔忍伝(ななやたたりようまにんでん)」
鬼助と同じく忍びの嵐丸が主人公。
子供の頃に攫われ忍びとして育てられた嵐丸は、
任務で父親を手にかけることに…
父親と知ったのは手にかけた後でどうすることもできません。
これを仕組んだ組織に思うところがあり、組織を裏切り追われることに。
その追っ手との戦闘中に白蛇の社を破壊してしまい、
白蛇の神から七夜の後に死に至るという祟りを受けてしまいます。
父親を殺したのを弟に見られていて、
敵と付け狙われるのもやりきれませんよねー。
嵐丸の姿や次の跡継ぎである弟から付け狙われるっていうところが、
どことなく「どろろ」の展開を思わせます。
「どろろ」百鬼丸だし似せてるところはあるのかも?
この話では、ナメクジやガマ、白蛇の召喚といった、
どこかで聞いたことあるような設定にやにやしますね。
羅邪鬼 CV渡辺久美子
参照画像:https://www.marv.jp/special/game/vita/oboromuramasa/index.html
「角隠女地獄(つのかくしおんなじごく)」
の主人公は閻魔の娘羅邪鬼と
寺から脱走してきた元坊主清吉の二人だと思ってます。
清吉が百姫に声か書けるつもりが羅邪鬼に声をかけてしまったのがはじまりです。
女たらしの清吉が羅邪鬼から逃げるたびに
いろんな女性(バケモノ)に引っかかっているという
他のDLCのシナリオと違って、どこか笑いを誘うお話です。
羅邪鬼のこのかわいらしい姿と大鬼の姿の落差も微笑ましいですよねー。
元禄時代とは
ところで舞台となった元禄時代は
どんな時代だったのでしょうか?
軽く確認しておきましょう。
元禄というのは江戸幕府だと、
だいたい第5代目の将軍綱吉の治政の頃ですね。
この頃の主な出来事といえば、
- 江戸幕府の財政難
- 生類憐みの令
などがあります。
深刻な財政難を立て直すため貨幣の量を増やそうと、
金の割合の少ない金貨を大量につくったため物価が上がり、
人々の生活を苦しめる結果に終わったり…
行き過ぎた動物愛護の法令、
生類憐みの令
は江戸の人には受け入れられず、
人々は悪政と不満を募らせていきます。
生類憐みの令は動物だけでなく、
「捨て子」を禁止するなどいい面もあったそうですが…
ともあれ、こうしたことから
将軍綱吉の時代は悪政
というイメージがつくようになりました。
私も、将軍綱吉や「生類憐みの令」に関しては、
あまりいいイメージはないんですよねー。
この朧村正でもその例にもれず、
「悪」イメージの将軍様が登場します。
朧村正のDLCのシナリオには、
村人や一般人視点の話もあるので、
時代背景を知っておくとより楽しめますよ!
エンディング解放条件は?
朧村正ではDLCシナリオも含めて
複数のエンディングが用意されています。
全てを見ようと思うと結構大変なんですが、
挑戦したいあなたのために簡単に解放条件を教えちゃいます!
クリア後は?
まず、百姫と鬼助二人のストーリーをクリアしましょう
そうすると、以下の二つのことが可能になります。
- 二人の刀が共通して使用可能になります
- 白色の結界を破れるようになります
行けなかったところが行けるようになったり、
二人の刀がリンクするので、刀を作るのが楽になります。
エンディング2
これは鬼助、百姫のストーリーをクリアすると、
エンディング後に解放条件を教えてもらえます。
条件に必要なのはこの二つだけ
- 鬼助、百姫の2つのストーリーを一度クリアする
- 「憑き落とし」「無銘玉ノ緒」を同時に装備して大詰めに挑む
鬼助、百姫でエンディングもまた変わってくるので、
両方みたい人はそれぞれのキャラで大詰めに挑みましょう!
エンディング3
解放条件はゲームの名前であり最後に作れる刀、
- 「朧村紗」を装備して大詰めに挑む
これだけです。
単純だけどこれで結構大変ですよ。
刀はあっても装備条件があるし、
そもそもラスボスとなる敵も結構強いです。
こちらも鬼助、百姫でエンディングが変わるので、
それぞれのキャラで大詰めに挑みましょう!
DLCのエンディング解放条件は?
こちらもストーリーをクリアすると下記のことができるようになります。
- 全ての結界が消えて、各国の祠間移動が可能になる
- 鬼助伝・百姫伝の親玉や各国の魔窟に挑める
そのうえで、
- 各国に潜む全ての親玉を倒して「転変の導べ」を手に入れる
- 「転変の調べ」を装備して大詰めに挑む
これだけで別のエンディングを見ることができるようになります。
ちなみに、
ボスを倒したかどうかはマップ上にマークがつくのでわかりやすいですよ。
本編をさくっとクリアするだけならそんなに長くないですが、
メインキャラ2名の全EDとDLCの4篇の各ED二つを見るのには大変苦労しました。
結構爽快バトルアクションでサクサク進められますが、
単調にボスだけ倒して回るっていうのは堪えますね…
終わったころには精神的にヘロヘロでしたー。
どんなストーリーなの?エンディングの違いは?
ここではキャラクターごとのストーリーや
たくさんあるエンディングの違いを
実際にやってみた感想を交えてお話していきます。
百姫
清楚可憐で大人締めの百姫と
武骨な剣豪陣九朗とのセリフの対比が面白いですね。
鬼助もそうだけどあっちへいったりこっちへ行ったりと忙しいです。
玉写しの術を使ったせいで魂が不安定だったり、
周囲の思惑のせいで振り回されたりたりの感じです。
最初のED
消えてしまった甚九郎の魂を鎮めるために
尼になる道を選ぶ百姫。
さんざん迷惑を掛けられたのに優しいですよねー。
2つ目のED
百姫の魂を守るために甚九郎が合魂の術を行い百姫の命を救う。
この結末はなんだか結構好きでしたね。
なんだかんだいって百姫をないがしろにできない
甚九郎の優しさというか甘さが見え隠れしてニヤニヤします。
記憶を失えど甚九郎の力を受け継いだ百姫が
どういう人生を歩んでいくのか、
その後の展開も気になるところですけどねー。
3つ目のED
これがトゥルーエンドなのかな。
甚九郎の呪縛から逃れた百姫は雪之丞と結婚し…
なんだか一番普通ですが、
甚九郎が関わっていなければ普通に訪れていた結末でもありますね。
鬼助
百姫の姉虎姫都とのお話です。
朧流を受け継ぎ記憶を失った鬼助に突然現れた弓弦葉が、
妖刀で集めた魂が欲しいと言い出したのかはかなり謎なんですよね。
この弓弦葉が再び鬼助を戦場に駆り出した切っ掛けの一つだけど、
どの結末であっても、鬼助がいなくなって
魂集めができなくなって困るというくだりがないので
弓弦葉は魂を集めて何をしたかったのか…謎なんですよねー。
ともあれ虎姫を討つ代わりに抜け忍になることを許されるはずだった鬼助ですが、
肝心の虎姫にあったら恋心を思い出してしまい、
結局最後まで死んだはずの虎姫の願いをかなえるために
彼女とともに行くことに!
恋ってすごいね。
最初のED
虎姫が自分のために命を落とした鬼助を思い、
来世でもまたともに会えるようにという願いを
仏がかなえるのでしたね。
来世というかたぶん輪廻転生を繰り返すたび、
二人は出会うという救いなんだと思います。
仏教では輪廻転生することは救いではなく
苦しみの一つだったはずなので、皮肉っぽい救いではありますね。
2つ目のED
甚九郎から解放された百姫に虎姫最後の願いとして
鬼助が仕えるという感じですね。
妖刀狩りをしてるのはED3と似てるのかな。
百姫と一緒かどうかっていう違いはありますけどね。
三つ目のED
表向きは裏切り者とされた鬼助が妖刀村正を集めて
各国を飛び回る。という感じです。
虎姫とたもとは分かれても、
愛する人が生きているというのは良いですねー。
津奈缶猫魔稿
かわいいですねミケもお恋ちゃんも。
狸との会話で、
雌なので…というやりとりをしてるところがニヤニヤしました。
ED1
化け猫として各地を荒らしまわり、甚九郎に退治されるというくだり。
そして化け猫の呪いによって病に侵される甚九郎。
これは本編とのつながりを感じて
なんだかうれしいですねー。
ED2
小僧を追いかけまわして和尚さんに食べられる昔話
という終わり方になってます。
こういう化け猫の話は聞いたことがある人も多いはず。
見知った話にストンと落ち着いたのもよかったです。
大根義民一揆
DLCの中では一番さえなさそうな主人公ですね 笑
仲間を呼んで一緒に攻撃するのが面白かったです。
ED1
家老の屋敷に押し入って殺されて、地獄でも直談判という 笑
そして更に地獄を追い出されて生き返るって展開もびっくりです。
地獄の鬼も手を余らすほどの人たちでしたー。
ここでの鬼手が足りなくて大変というくだりは、
DLCの羅邪鬼との話につながりがあって面白いです。
ED2
屋敷に押し入って死んだはずの彼らが
亡霊となって人を襲っていたという逸話のような終わり方ですね。
たあの農民だった彼らがあれだけ強かったのは、
実は亡霊だったからという強さの説明にも一応のオチはつきますね。
この一揆の話だけEDの曲が歌になってて、聞きごたえあります。
七夜祟妖魔忍伝
飛び道具系が多かったりして結構攻撃力がなかったし、
すぐに妖力が減るので使い辛いキャラクターでした。
見た目とか一部設定は、
やっぱり「どろろ」の百鬼丸に似てる気がします。
それと嵐丸にとりつく白蛇さんがかわいかったです。
嵐丸を呪い殺すために命懸けで助ける、
っていうどこか矛盾しているけど、
そういう関わり方しかできないいじらしい二人です。
ED1
死んで荒首様とか言う守り神みたいになる
っていうどこかの地方で伝わってそうな感じの話ですね。
白蛇さんはちゃんと嵐丸の願いをかなえてくれたし、
生前では浮かばれなかった嵐丸の魂も、
少しは救われたのかなーと思います。
ED2
無明道人に乗り移られて、無明道人に滅ぼされた一族の子、
自来也と綱手がこれまた大蛇丸と名前を変えた道人を討伐する
というこれまた聞いたことあるような物語風で締めくくっています。
嵐丸としては最悪のEDですけど、
これはこれで続きの気になる終わり方ですよねー。
角隠女地獄
この4篇の中では明るめで面白い話でしたね。
清吉が間違って羅邪鬼に告白してしまったことから話は始まります 笑
勘違いされた羅邪鬼に付きまとわれ、
しかしながら結局は羅邪鬼に心を許す清吉にニヤニヤですね。
清吉が出会う女性全てが妖怪というのもたまげたものですが。
ED1
羅邪鬼が地獄に帰った後、菓子屋として働く清吉のところに
舞い込んできた縁談相手が羅邪鬼 笑
まさかそんなに長い年月が経ってまで付きまとわれるとは…ですよねー。
なんだかんだでお似合いな二人なんですが…
そういえば「うる星やつら」のあたるとラムちゃん
みたいな関係ですよねー。
ED2
逃げて数年後に人を害なす鬼としておそれられる羅邪鬼と
再びまみえる清吉。
清吉のごまかしで羅邪鬼は助かり奥方として一緒になるという 笑
これまたトンでも展開ですが、
ED1もED2でもどっちに転んでもニヤニヤ展開ですね。
暗めなお話が多かったDLCのストーリーなので、
笑いのあるお話での締めくくりは良い感じです。
最後に
お勧め度:★★★★★
全てのEDを見るまでの道のりはすごく大変だったけど、
やりごたえはあって楽しかったです。
アクションが苦手なあなたも、
難易度は「無双」と「修羅」の二つから選べるので安心です。
「修羅」だと刀が折れやすかったり
レベルが上がりにくかったりしますが、
「無双」でのレベルが共有されるので
いつでも変更できるところがいいところです。
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